出版企画書の書き方(商業出版を目指す人へ)

出版ハウツー

本を出したい場合、まず必要になるのが企画書です。

郵送するにしろ、メールを送るにしろ、知り合いを通じて直接編集者と話をするにしろ、「どんな本を書きたいのか」を完結にまとめた企画書は必須です。

なので、ここでは書籍の企画書に必須な要素をまとめておきます。

書籍企画書の必須要素1 タイトル

めちゃくちゃ重要なので、死ぬほど熟考してください。

ぶっちゃけ、編集者は企画書を最後まで読みません。いろいろこまごまと企画について説明を書いても、そのあたりは読まないと思ったほうがいいでしょう。

あなたが書店で本を選ぶ際も、まずはタイトルで目を引いた本を手に取ると思います。

内容がおもしろそうかとか、どんな人が書いているのかとか、そういうことをチェックするのはその次です。

じゃあ、どんなタイトルをつければいいわけ?

そのうち別の記事でくわしく解説します。

1つ、絶対に忘れないでほしいポイントを上げるとすれば

・わかりやすくする

ということくらいでしょうか。

極端なことをいえば、「企画概要」や説明をしなくても、その本が「だれのどんな問題を、どうやって解決するのか」が一発でわかるようにしたほうがいいです。

書籍企画の必須要素2 読者ターゲット

これは言い方を変えれば、

その本、書店のどのコーナーに置かれます?

ってことです。

たとえば、「ファイナンシャルプランナーが教えるお金の基本」というタイトルの本でも、

  • 50代管理職の男性向け(A)
  • 中学校に上がったばかりの子ども向け(B)
  • フリーランスになったばかりの女性向け(C)

など、ターゲットをどこに設定するかによってぜんぜん内容が変わってきます。

ターゲットが変われば、書店での売り場も変わります。

(A)の本だったらビジネス書コーナーですね。(B)だったら児童書や学参コーナーや子育て本コーナーでしょう。(C)の場合は女性向け自己啓発やライフスタイル本コーナーに置かれる可能性が高いです。

本屋で置かれるコーナーがある程度わかると、「どんな本屋で売れそうか」もわかります。

(A)の本の場合は丸の内とか新宿とか品川とか、ビジネスパーソンが多いエリアの書店で売れそうです。駅構内の本屋でも売れやすそうですね。

(B)の本の場合は地方のショッピングセンターのなかに入っている大型の本屋さんで売れそうです。街の本屋さん的なところでも広く薄く売れるかもしれません。

(C)の場合はネット書店を中心に売れていく本かもしれません。あるいはデザインをオシャレにしたりしたら、代官山や恵比寿、自由が丘あたりの意識高い系の女性が多い書店でもいい動きをしそうです。

読者ターゲットに従って、編集者はコンテンツの内容や文体、デザインやページ数、価格などを考えながらつくります。

書籍企画の必須要素3 著者プロフィール

これもめちゃくちゃ重要です。すっごく考えてください。

ぶっちゃけた話をすると、ハウツー本というのはもうネタが出尽くしています。

そうなるとなにが起こるか。

「なにが書いてあるか」と同じくらい、「だれが書いているか」もすんごーく重要になっているのです。

たとえば東大とかハーバードとかスタンフォードなどの有名大学で教鞭をとっていたり、トヨタとかマイクロソフトとかアマゾンなどの超有名企業ですごい仕事をしていたなんて人だったら、企画内容がイマイチでも通りやすくなります。

いやいや、そんなすごい肩書なんてないよ……

そういう人の場合、頼るべきは「SNSのフォロワー数」ですね。

とくに水色のマーカー Twitter、YouTube、Instagramあたりで2~3万人くらいフォロワーがいると、編集者は「オッ」と反応します。

フォロワー2~3万というのも全然ラクではないですが、いまからスタンフォード大学の教授になったり、超有名企業の管理職になるよりもハードルは低いはず。

とにかく大事なのは、プロフィール文章で「どれだけ自分はすごい人間なのか」「どれだけ影響力を持っているのか」をアピールすることです。

かつ、それを具体的な固有名詞や、数字でアピールできるに越したことはありません。

書籍企画の必須要素4 書籍の趣旨

ここでは企画の概要ではなく、企画の「趣旨」を書くのがポイントです。

「概要」と「趣旨」ってなんか違うの?

「概要」はあらまし、「趣旨」は狙い、目的です。

企画書の「タイトル」「読者ターゲット」「著者プロフィール」を読めば、編集者はだいたいどういう本になりそうなのかのイメージはつかめます。

なので、書籍の説明文では改めて「この企画はこういう内容で、こういう人達に読んでほしくて~」という長々とした説明はいりません。

むしろ、なぜこの企画を作った人は、この企画をこの読者ターゲットに向けてつくりたいと考えたのか、その意図、目的、熱意をここで明らかにするべきですね。

とくに熱意のアピールは大事かもしれません(ぜんぜん重視しない編集者もいますが)。

あるいは、どうしてもその本を出すべき社会的意義に熱弁を奮ったり、世の中のムーブメント・トレンドを解説しながら、その本のニーズが高まりつつある未来を予測するのもいいでしょう。

ただ、どちらにしろ、ここはあんまり長くなりすぎないようにしてください。読むのが面倒くさくなってしまうので。

書籍企画の必須要素5 類書

企画書というのは、要するに

この企画が完成するとこんな本になります!

というイメージを読んだ人間に抱かせることが目的です。

そのためのいちばん手っ取り早い方法が、類書を挙げるということですね。

ただ、この類書選びはちょっと難しいです。

素人(ここでは出版実績ゼロ、出版業界と無縁だった人を指します)の人が企画書を作って類書をピックアップしてくれることもあるのですが、だいたい的はずれな本を類書に選んできていて、かえってイメージがつかみづらくなることも珍しくありません。

たとえば、

とにかく同じジャンルの本で一番売れた本を類書にすればいいっしょ!

というのが、典型的な間違いですね。

同じジャンルでめちゃくちゃ売れている本があるなら、私が読者ならすでに刊行されているベストセラーを買います。あえてパチもんみたいな本は買わないでしょう。

もちろん、「柳の下の二匹目のドジョウを狙う」という戦略はありえますが、すでにベンチマークする本がベストセラーになっている場合は手遅れです。

というのも、素人が「この本はベストセラーだな」と認識しているころには、すでに業界内のどこかで、とっくに柳の下の二匹目のドジョウを狙う企画がつくられているはずだからです。

類書の選び方も奥が深いので、また別の機会にくわしく説明します。

書籍企画の必須要素6 構成案

章の構成を綿密に考える必要はありません。

構成はだいたい、編集者が順番を入れ替えたりして、変えてしまうものだからです。

構成案を書くときに大事なのは、コンテンツの「量」です。

一度も本を出したことがない人の本を作るとき、編集者が不安になるのはこれです。

この人、途中でネタ切れ起こさないかな……

企画書の構成案が充実しているということは、要するに

私はこんなに書きたい内容がたくさんあります。なんだったら、2冊め、3冊めも書けますよ!

ということのアピールになるので、編集者は安心できるわけですね。

ただし、構成案まで見るのは、タイトルや著者プロフィールに惹かれてからのことですから、優先順位的には下がります。

編集者が俄然、興味を持つ「魔法のコトバ」

これは必須ではないのですが、企画書に書かれていると編集者が興味を持たざるを得なくなる魔法のコトバがあります。

ハッキリ言ってしまえば、これを書くか書かないかだけで、編集者から連絡が返ってくるかどうか、その確率は段違いです。

ただし、これはかなりグレーというか、一歩間違えるとダークサイドに落ちることになりかねませんので、だれにでもオススメできるわけではありません。

それについては、別の記事でそのうち紹介しますね。

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